多肉植物を育てていると、色々な種類を集めたくなると共に、お気に入りの多肉植物はその数を増やしたくなりますよね!
自然に増えるのをジックリと待つのも一つの方法ですが、積極的に増やすにはどうしたらよいのか!?その方法を紹介します。
多肉植物を増やしたい!
私の場合、多肉植物を育て始めた当初は種類を集めることに集中していました。とにかく多くの種類を集めたいというコレクター気分ですね(笑)。そのうちに自分の好きなタイプの多肉植物が分かってくると、今度は「この多肉植物をもっと増やしたい!」という衝動が大きくなっていったのです。
ちなみに、私の好きなタイプの多肉植物ですが、最も好きなタイプが「葉がプックリと厚いタイプ」これが一番ですね(笑)。二番目が「ロゼット状で葉に色の付いているタイプ」これもまた可愛い!!
増やしたいと思っても、増やし方が今一つ良く分かりません。ネットで調べていると、どうやら「株分け」「芽刺し(挿し芽・挿し木と表現しているサイトもあります)」「葉挿し」の3通りが主な方法だという事が分かりました。
これらの具体的な方法は下に記述しますが、幾つかの多肉植物はネット情報を基に芽刺しや葉挿しにチャレンジしてみました。そこで分かったことは、増やしやすい品種とそうでない品種があるという事です。
「多肉は強いから」とたかをくくっていましたが、結構失敗も多くありましたよ(;^_^A
多肉植物の増え方
多肉植物の増やし方の前に、多肉植物がどうやって増えていくのかについて書いてみようと思います。私もそれほど多くの種類を持っているわけではないので、増え方の全てのタイプを網羅するものではありませんが、ここで紹介するタイプは多くの品種で共通している代表的なタイプではないでしょうか?
地際から子株ができるタイプ
このパターンは、親株の付け根付近から子株ができて増えていくもので、エケベリアなどの結構多くの品種に当てはまるパターンではないでしょうか。子株が地際から出来てくるので子株にも根が付いていることが多く、植え替え時に株分けなどで増やすことができます。
下の写真はエケベリア属の「七福神」という品種です。このまま放置していると子株もどんどん大きくなっていきます。
親株の葉の間から子株ができるタイプ
親株の地際というよりは、親株の葉の間に多数の子株ができるタイプです。センペルビウム属の多肉植物に多いタイプではないでしょうか。このタイプの子株がどのように成長していくのか、私自身初めてなので興味津々です。このままどうなっていくのかが判明しましたら、ここに追記させていただこうと思っています。
下の写真はセンペルビウム属の多肉植物です。入手当時の情報では「巻絹」という品種らしいのですが、何となく違うのでは?という感じもしています。詳しい方で名前が分かる人がいらっしゃったら、教えていただけるとうれしいです!
親株の葉の間から子株ができるタイプⅡ
こちらもセンペルビウム属の品種ですが、上のタイプと同様に親株の葉の間から子株が形成されます。異なる点は子株がたくさんできるのではなく数個の子株のみで、割と茎が長く成長します。
こちらのタイプの多肉植物も私にとっては初めてなので、この後がどうなっていくのか観察を続けていきたいと思っています。
写真は品名は不明なのですがセンペルビウム属の品種です。
ランナーを伸ばして増えるタイプ
親株からランナーと呼ばれる長い茎を伸ばし、その先に子株ができるタイプです。蓮華系といわれる品種(子持ち蓮華や玄海岩蓮華)がこのタイプです。
ランナーの先に培養土があればそこに定着して根を伸ばしていきます。写真はオロスタキス属の「子持ち蓮華」ですが、名前の通りランナーの先の子株がランナーを出しているなんていう場合もあります。
茎が長く垂れ下がるタイプ
ネックレス系と呼ばれる多肉植物は茎が長く伸びてネックレスのように垂れ下がります。このようなタイプは茎を地面の上に置いておくと、葉の付け根から発根して定着していきます。また1本の茎から分岐して、複数本の茎になることもあります。
写真はセネシオ属の「ピーチネックレス」という品種です。
葉に子株が出来るタイプ
カランコエ属の「胡蝶の舞」や「不死鳥」などは葉の周りに子株ができます。地際からも子株が出てきますが、葉にできる子株は葉が茎に付いたままの状態でも、葉が地面に落ちた後でも出てきます。
写真のような状態で培養土に置いておくと、各子株から発根が見られるよになり、いずれは葉から離れて1本の株になります。
グランドカバー型のタイプ
セダム属に多いタイプですが、グランドカバーのように茎が地表を這っていき、所々で発根して増えていくタイプです。
タイプとしては分けてしまいましたが、このタイプの多肉植物も鉢から飛び出てしまうとネックレス系のように垂れ下がります。ただ、ネックレス系に比べれば茎が固く、伸びる速度も遅いように感じています。また発根しやすいので垂れ下がった茎には気根が多く見られます。
写真はセダム属の「斑入り丸葉万年草」です。
枝分かれするタイプ
厳密には「増え方」ではないのですが、茎の途中から枝分かれしていくタイプです。枝分かれした子株はそのまま成長するため、1株のボリュームは増していきますがあくまでも1株のままです。
このようなタイプの多肉植物も株分けできるような子株が出来るはずですよね。だって出来なかったら子孫を残すことが出来ないですもの(;^_^A
もう少し観察を続けてこの投稿を修正・加筆していこうと思います。
この手のタイプは株の姿が乱れて乱雑な感じになってしまう事もあるので、定期的に仕立て直し(芽刺しなどで株の姿を整えること)が必要かもです。まぁ、カオスのようになった株もそれはそれで趣があるので、栽培者の好き好きですが・・・
写真はアエオニウム属の「夕映え」です。
多肉植物を増やす方法
通常に育てているだけでも自然に数は増えていきますが、積極的に増やしたいときなどでは人が手を加えて増やす必要があります。また増やすことが主目的ではなく、枝分かれなどで株の姿が乱れてしまったりした場合、株の姿を整えたりする目的で行うこともあります。そのような時は余った部分で副次的に新しい株を作ることもできます。
冒頭にも書きましたが多肉植物を増やす代表的な方法としては、「株分け」「芽刺し」「葉挿し」の3通りの方法があります。この項目ではこれらの方法について書いていきたいと思います。
株分け
最も自然増加に近い方法です。栽培している状態で生まれてきた子株を、植え替え時期などで分けていくやり方です。
この方法ではできた子株の数しか増やすことは出来ませんが、既に発根もされているため失敗することはほとんどありません。また分けた直後から成長を続けるため、生育が止まる期間もほとんどありません。
写真はエケベリア属の七福神です。株元からいくつかの子株が分かれて成長しています。この子株を切り離して植え付けを行います。
芽刺し(挿し芽、挿し木)
芽刺しは多肉植物の途中から茎を切り、切ったところから発根させて新しい株にしていく方法です。
多肉植物の種類(形状)にもよりますが、株分けよりも多数の新しい株を増やすことができます。しかし、根の無い状態の植物から根を形成させる必要があるため、成功までに時間がかかる点と、場合によってはうまく発根させることができずに失敗に終わってしまうリスクも持っています。
具体的な芽刺しの方法は以下のようになります。
① 枝分かれしている株や、長く伸びた株などから茎を残した状態で好きな長さにカットする
② 切り口から腐敗菌などが入らないように、風通しの良い日陰で1日程度乾燥させる
③ カットした芽を赤玉土(小粒)などの上に置いたり、土に挿したりして発根を待つ。発根までの置き場所は「直射日光のあたらない風通しの良い場所」にする
発根までの期間は多肉植物の品種にもよりますが、数週間で発根するものもあれば数ヵ月かかるものもあります。写真はセダム属の乙女心を使って行った芽刺しの実例です。
実はカットから切り口の乾燥までは多くのサイトで共通して紹介されているのですが、カットした芽から発根させる処理方法については、サイトによっていくつかのパターンがあります。私が初めて芽刺しに挑戦するときに調べた時は、以下の4通りの方法が紹介されていました。
結論から言うと、最後に紹介する「土に挿して水を与える」方法が最も成功率が高いと感じています(あくまで個人の感想ですが・・・)。なので、現在はこの方法で芽刺しを行っています。
紹介する順序は実際に私がやってみた順になります。
芽刺しの方法1:空中に吊るす方法
これは焼き網などの網を利用し、網目に茎を挿して空中にぶら下げて置くやり方です。私の初めての芽刺しはこの方法で行いました。置いた場所は室内の直射日光が当たらない場所で、割と開放的なスペースであったため風は通ったと思います。
しかし、置いた場所やカット芽に問題があったのかもしれませんが、結果的には発根が見られずにそのまま干からびてしまった芽がありました。
下の写真はその時のものです。刺し穂が小さかったので焼き網を購入して網目に挿しておきました。
<この方法のメリット>
メリットとしてはとにかく簡単だという事です。網の四隅に何かを置いて網を宙に浮かせて置き、その網目にカット芽を挿していくだけです。
また、発根が目視で確認できるので植え付けの時期を判断しやすいという事もあります。
<この方法のデメリット>
デメリットは、私の場合成功率が低かった事です。また、カット芽が小さいと網目から落ちてしまうし、茎の太いカット芽では逆に網目に入らない・・・なんて事もあります。
芽刺しの方法2:土の上に寝かせておく
この方法は多くのサイトで書かれているやりかたです。容器に赤玉土(小粒)や鹿沼土(小粒)、多肉植物用の培養土などの土を入れ、その上にカット芽を寝かせて置いておく方法です。容器に入れる土の量は1cm位の厚さで十分ですが、紹介されているサイトの多くでは「水を与えないのがポイント」と書かれていました。
私も暫くはこの方法で芽刺しをやっていました。
<この方法のメリット>
メリットとしては成功率もそこそこ高く、発根の状態も確認できるので植え付けの時期を判断しやすいです。
<この方法のデメリット>
カット芽の状態にもよりますが、あまり小さなカット芽ではなかなか発根しない事があります。また、茎のカットした部分が乾燥してしまい再カットをすることがありました。
もう一つのデメリットは株が曲がってしまうという事です。植物は上に伸びる習性があるため、発根までの間に茎が上方向に湾曲してしまい、植え付け時に斜めに植えつけないと株が曲がった状態になって見た目が悪くなります。
芽刺しの方法3:土に挿す方法(水は与えない)
方法2の「株が曲がってしまう」というデメリットを修正できる方法です。カットした芽を少量の土にまっすぐに挿し、そのまま発根を待つやり方です。
芽刺しや後述する葉挿しを行う場合、多くのサイトで「水を与えない」という記述が見られたため、私がこの方法を行う際も水は与えずにやっていました。実感としては成功率も高くて良い方法だと思っています。
ただし、やはり茎のカット部分が発根前に乾燥してしまい、再度茎をカットして土に挿しなおす事もありました。
この方法の写真は上に掲載した「乙女心」を参照してください。写真は水を与えていませんが、この状態で水を与えないで管理します。
<この方法のメリット>
茎が曲がらないので、鉢に植え付ける場合真っ直ぐに植えることができる。成功率は方法2よりも良いと感じている。
<この方法のデメリット>
茎が土の中にあるため、発根の状態が分かりにくい。そのため「そろそろ良いかな?」と思って抜いてみると、まだ発根していないか小さな根が出始めたばかりだった、という事もある。
芽刺しの方法4:土に挿す方法(水を与える)
現在私が芽刺しで用いている方法がこれになります。基本的には方法3と同じなのですが、土を霧吹きなどで乾燥させないようにして発根を促す方法です。水を与えるという事で初めは「殺菌が繁殖してしまうかな?」「水があると発根が遅れてしまうのだろうか?」といった心配もあったのですが、結果的には今のところ成功率100%に近い成績です。
この方法の写真は上に掲載した「乙女心」を参照してください。
この方法でもデメリットはあります。方法3のデメリットと同様に発根の状態が目視できないという点です。今はおおよそ1ヵ月を目安にして、刺した芽を少し引っ張って確認しています。土が濡れているので発根していれば若干の抵抗を感じることが出来ますし、割と根が成長しているような場合は周りの土が一緒に盛り上がってきます。
葉挿し
葉挿しは多肉植物の葉を株から外し、その葉を土の上に並べて発根と芽の形成を誘導する増やし方です。株分けや芽刺しと違って1枚の葉があれば1株に育て上げることが可能なので、一気に大量に増やすことができます。
しかし、全ての多肉植物で葉挿しが可能かというと答えは「No!」です。逆に言えば葉挿しが出来る品種の方が少ないのかもしれません。
また、ネット等で「葉挿しで増やすことが可能」と紹介されている品種であっても、すべて成功するとは限りません。品種によって成功率には大きな違いがあると考えた方が良いでしょう。正直なところ私もまだまだ試行錯誤で、葉挿しにチャレンジしている真っ最中なのです(;^_^A
具体的な葉挿しの方法は以下の通りです。
① 親株から葉を外します。葉を外すときは左右にやさしく葉を曲げて、組織を壊さないようにそっと外します。また、株の生長点(多くの場合、伸びている先端部)に近い葉の方が成功率が高いと言われています。
② 外した葉を土の上に並べて置いておきます。
③ 発根までの管理としては、直射日光のあたらない風通しの良い場所に置いて水は与えないでおきます
やはり多くのサイトでは「発根までは水を与えない」と書かれていました。
葉挿しも芽刺しと同様に、うまくいけば品種によって数週間から数ヵ月で発根が見られます。また、根が最初に出てきてその後に芽が形成されるものと、芽が形成され始めてから根がでるもの等、品種によって違いがあります。
葉挿しのメリット
葉挿しのメリットといえば、何といっても一気に大量に増やすことができるという点です。お気に入りの多肉植物を大量に増やして鉢一杯にするのも楽しいですよね!
この「鉢一杯に」という事を、どうやら「○○丼」って呼ぶらしいです(笑)。例えば虹の玉という品種を植木鉢一杯にする事を「虹の玉丼」という感じで!
多肉植物は葉が取れやすい品種も多いため、植え替え時などで葉が取れてしまう事もあります。葉挿しができる品種であれば、そのような葉も無駄にならずに新しい株に育てることが出来るのも葉挿しのメリットですよね。
そしてもう一つ!葉挿しで増やした多肉植物を複数の鉢に植えて置けば、何か不具合があって一つの鉢がダメージを受けても、他の鉢が元気に生き残る可能性があるというのも捨てがたいメリットです。私のようなビビりの性格では、「この品種はこれ一株しかない!」という状況は精神的によろしくないですからね(笑)。
葉挿しのデメリット
メリットの多い葉挿しですが、デメリットもあります。先にも書いた「葉挿しが出来ない品種もある」というのは、まぁしかたがないのでデメリットには入れませんけど。。。
私が思うデメリットは「成長に時間がかかる」という事です。厳密にはデメリットと言えないかもしれませんが、一枚の葉から育成していくため、いっぱしの株になるためには結構な時間がかかります。
それほど大量には必要ないというのであれば、芽刺しで増やした方が早く多肉植物を楽しむことが出来ます。
葉挿しの失敗事例
葉挿しをしていると「あれ!?何かオカシイ??」という事象に出会う事があります。今回私が経験した失敗事例を2例紹介したいと思います。後で調べてみると「よくある事例」の様なのですが、初めて経験すると「やった!葉挿し成功!!」からの「あれ!?失敗なの??」というショックが結構きついのです(笑)。
一つ目は「根は出るけど葉が出来ない事件」です。写真はエケベリア属の七福神なのですがネット情報では「葉挿し可」でした。事実成功している方の投稿なども拝見させていただきました。私もやってみたのですが、葉挿し開始後割と早い時期に根が出てきたので成功したと思っていましたが、それから3ヵ月以上経過しても葉が分化してこないのです。ちなみに、件数としては5枚葉挿しを行って5枚全てが同じ状況で、2鉢程抜いてみたのですが根は鉢一杯に張っていました。
写真はその時の状態の物ですが、それから更に4ヵ月ほど経過した現在でも同じ状況ですので、もうこのままなのかもしれませんね(結果として失敗です)。
後日知ったのですが、このような事例は結構ある事のようで、根だけ出て葉が分化しない葉挿しを「イカ状態」と呼ぶようです。
もう一つが、上記とは逆に「葉が分化しているのに根が出てこない」という状況です。品種はパキベリア属の恋化粧という多肉植物なのですが、植え替え時に少し邪魔だった葉を外したので、その葉で葉挿しを行ったものです。
割と早い段階で葉が分化してきて、その後根が出るかと思っていたら1枚の葉を除いて残り2枚が根が出てこないのです。親となった葉が枯れて脱落しても根が出ない個体は一向に根が形成されませんでした。
これらについては、根が出ていなかった株を培養土に少し埋めた状態で管理していたら無事に発根してきました。この品種は用土に接地していないと根が出てこない性質を持っているのかな?
後で実際に実験してみたいと思います!
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