ネコヤナギの挿し木

とある理由からネコヤナギの挿し木をすることになりました。ネコヤナギの挿し木は初の試みだったので、ネットで挿し木の方法を調べて行いました。結果的には成功と言って良いのですが、軽く調べて実行したため多くの不具合や後悔が残る挿し木でした。

挿し木に至る理由から、挿し木の方法、そして数ある反省点を紹介します。

うちのネコヤナギ

ネコヤナギは雌雄異体の植物です。つまり雄の木と雌の木がある植物ですね。皆さんも良く知っている雌雄異体の木といえばイチョウがそれにあたります。銀杏が出来る木が雌の木、銀杏が出来ない木が雄の木です。

うちのネコヤナギは雄の木でした。どちらの木かは花を見ればわかり、花穂と呼ばれる花がたくさん集まった部分(銀色でもふもふしたアレです)が、雄花は花粉ができるので黄色く、雌花は子房ができるので白っぽくなります。

下の写真はうちのネコヤナギですが、左は花粉ができている花穂のため全体的に黄色っぽく見えています。銀色の花穂は可愛らしい感じがしますが、金色の花穂も結構カッコいいなぁって思ってしまします。

ネコヤナギの花穂2019年3月7日
ネコヤナギの花穂 2019年3月7日撮影
ネコヤナギの花穂
オシベが認められるネコヤナギの花穂

ネコヤナギ倒木事件

ネコヤナギは早春の頃を彩る素敵な植物です。2020年、うちのネコヤナギ君も早春の明るい太陽を浴びて輝いていました(^^♪
ネコヤナギは「日当たりが良くて水の多い場所」を好むそうですが、うちのネコヤナギは裏の日当たりの悪い場所にありました。特に周りに水があるわけではないのですが、日当たりが悪く、近く(ほとんど隣同士(;^_^A)に椿、柚子があり、さらに竹がゴチャゴチャ生えているような場所でしたので、きっと根元の地面には水は多かったのだと思います。

2月22日、関東で春一番が吹きました。気象庁の発表では風速が東京では17.7メートル、
横浜で20.3メートル、千葉で16.7メートルでした。風速って6~7メートルでも結構強い風って感じますので、さすがは春一番の強風だなぁって思いますよね。

その数日後だったと思います。何気なく家屋の裏の方に行ってみたのですが、何かいつもと感じが違う「???なんだろ」って、初めは状況が理解できませんでした(‘◇’)ゞ
次に感じたのは、地面近くになにやら白い花のようなものが咲いているという事でした。まだその時点では「新しく何かが咲いたのかな?」程度の感覚です。

がっ!近づいてみると咲いていたのはネコヤナギの花!!
しかも地面近く!!!!
そうなんです、ネコヤナギの木がポッキリと折れてしまっていたのです。。。。

下の写真は、初めに目にして「地面から何やら新しい花が咲いてる」と感じたネコヤナギの木です。白い花だけが妙に目立って見えたのです。

折れたネコヤナギ
折れてしまったネコヤナギの木

次の写真は反対側から見たネコヤナギですが、結構根元からガッツリ折れていました。

根元側から見た折れたネコヤナギの木
反対側(根元側)から見た折れたネコヤナギの木

根元の直径は15cm以上はあったと思いますが、枝とかではなく根元付近の幹が折れていたので正直驚きました。しかし、よくよく折れた根元を見てみると幹の内部がボロボロで、これじゃ強風で折れても仕方ないかなという具合でした。

このネコヤナギの根元付近は、雑草などが多くて風通しが悪かったので腐朽されてしまったのか、虫に食害されていたのか、詳細な理由は良く分かりませんが今年の春一番で力尽きてしまったようです。

折れたネコヤナギの根元付近
折れたネコヤナギの根元付近。虫か何かの食害で傷んでいたらしい

倒れたネコヤナギは片付ける時間が取れなかったため、しばらくの間放置していました。

ネコヤナギの挿し木に挑戦

2020年2月28日に倒れたネコヤナギを片付けることにしました。倒れてから一週間程経過していましたが、このネコヤナギを挿し木で蘇らせようと思い、挿し木の方法を調べて挑戦してみました。

新しそうな枝を20cmの長さに切り、それを刺し穂として使用しました。刺し穂は全部で7本用意し、いよいよ挿し木に挑戦です!
以下に私が行った挿し木の手順を紹介しますね。

ネコヤナギの刺し穂

刺し穂の準備

用意した7本の刺し穂です。長いもので20cm強、短いもので15cm程度でしょうか。
付いていた花穂は全て取ってみました。

刺し穂の根元をカットする

刺し穂の根元をカットする

刺し穂の根元をカッターで斜めにカットします。

ネコヤナギの刺し穂の水揚げ

刺し穂の水揚げ

刺し穂を2時間ほど水につけて水揚げを行います。水揚げ時間を調べ忘れてしまったので、2時間が良いのか悪いのかわかりません(;^_^A

根元に発根促進剤を付ける

発根促進剤を付ける

水揚げした刺し穂の根元に発根促進剤を付けます。私は「ルートン」という発根促進剤(植物の発根を即陣させる植物ホルモン剤)を使っています。

刺し穂を土に挿す

挿し木用の土に挿す

刺し穂を土に挿します。挿し木用の土は極力養分の少ない方が良いといわれています。私は市販の「挿し芽・挿し木用の土」を使っていますが、赤玉土(小粒)や鹿沼土(小粒や細粒)でも良いようです。

このようにして7本全ての刺し穂を土に植えました。
ネコヤナギは花瓶に挿しておくと、そのまま発根することがあるくらい水が好きな植物です。そのためネコヤナギの挿し木は用土を乾かさない事が大切です。
私も出来るだけ用土を乾かさないようにタップリと水遣りを行いましたが、諸般の理由で水遣りをできなかった日もありました。

挿し木のその後

ネコヤナギの挿し木成功!?

挿し木を行ったのが2020年2月28日です。
下の写真は1か月後の3月31日に撮影したものですが、7本の刺し穂のうち3本から葉が出ていました!!
なんだか「俺は生きているぜぃ!」ってネコヤナギの声が聞こえそうで嬉しかったですね!

ネコヤナギの挿し木成功率は結構高いという情報を読んだ記憶が有ったので、このまま順調にいけば全て・・・とは言いませんが5本位は成功するのではと勝手に思っていました。
・・・・が、実際はそうでもなかったのです(涙)

挿し木1ヵ月後のネコヤナギ
挿し木してから1か月後のネコヤナギです

成功!といえば成功なんだけれども・・・

挿し木が何となく(←ここ重要(笑))成功したような気になっていたので、挿し木実行時のように頻繁に注意してみることも無く、惰性で水遣りをしたりしていました。
それがある日(上の写真から10日くらい経った時)、葉が出ていた3本の刺し穂のうち1本の葉が枯れていることに気づいたのです!!

下の写真がその時の写真ですが、上の段の真中の刺し穂の葉が枯れてしまっています。上の写真と比べても分かりますが、他の2本の刺し穂の葉も大きくはなっていますが、若干枯れ始めているような感じでした。

葉が出ていた刺し穂の1本が枯れてしまった
挿し木からおよそ40日目。葉が出ていた3本の刺し穂のうち1本が枯れてしまった。

「え!あれ!?なんで??」と思った私は、あろうことか「鉢に植え付けるのが遅かったのかな?」などという、全く間違えた思いに支配されてしまいました。
そのため、急遽この日に植木鉢への植え付け作業を行ったのです。

まずは、全く葉の出ていなかった5本の刺し穂をポットから抜いてみました。その全てが根らしいものは形成されておらず、中にはすっかり枝が枯れて「ポキ!」っと折れるものや、根元部分が腐ってしまったような刺し穂もありました。

失敗したネコヤナギの刺し穂
挿し木に失敗して、発根の形跡さえ見られなかった刺し穂

葉が出ていたもののその後に葉が枯れてしまった刺し穂は、2ミリ程度の根が1本できていただけでした。この刺し穂は念のため鉢には植えておきました。

緑の葉が生えている残り2本の刺し穂ですが、ポットから抜いてみると無事に発根はしていました。
ただ、予想よりも根は「少なくて短かい」状態でしたので、「ありゃ。。。ちょっと早すぎたかな?」とこの時にやっと気づきました(;^_^A

とは言え、ポットから抜いてしまったので植木鉢に植え替えをして完了です。

発根しているネコヤナギの刺し穂
ポットから抜いてみると、無事に発根していました。
植木鉢に植え替えたネコヤナギの刺し穂
植木鉢に植え替えをしたネコヤナギの刺し穂です

この2本の刺し穂は、水遣りなどの管理を怠らなければ元気に育っていくと思います。このように、7本のうちの2本だけでしたが今回の挿し木は成功といえば成功になるのでしょうね。

今回の反省点

結果的に挿し木は成功しましたが、今回の挿し木での反省点もいくつかありました。今後のためにその反省点をまとめてみようと思います。

  • 刺し穂の選定について
    今回成功した刺し穂は、写真を見ても分かるように太くて長いものでした。刺し穂を選ぶ場合、このような大きな刺し穂を作った方が良いように思います。特に今回の挿し木は元気な木から刺し穂を切り出すのではなく、折れてしまった木、しかも折れてから一週間ほど経過してしまった木からの刺し穂ですので、細い枝は既に水不足状態になっていた可能性がありました。
  • 水遣りについて
    挿し木して葉が形成されたにも関わらず、途中で枯れてしまった刺し穂がありました。これは水遣りを少しさぼった事が原因かなと思っています。ネコヤナギに限らず、挿し木をする場合は発根するまで水は切らさない方が良いと感じました。
  • 植え替え時期について
    今回はポットから鉢への植え替えが早すぎたと感じています。2月28日に挿し木を行い、植木鉢への植え替えが4月18日でしたので50日程経過はしていましたが、思ったほど根は張っていませんでした。一応ネコヤナギの挿し木適期である3月頃には入っていますが、50日間では少し短かったのかもしれません。ポットの下から根が出てくる位待った方が良かったのでしょうね。

以上、「ネコヤナギに挿し木について」でした。今後他の木でも挿し木を行う場合は、今回の反省点を考慮してやっていきたいと思います。

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