日本古来の観葉植物にオモト(万年青)というものがあります。古くから縁起物として愛されてきた植物で、少し古い家の庭には結構植えてあったりするのではないでしょうか?
ここではオモトの基本的な育て方や、私が初めてオモトを知るきっかけになったエピソードを紹介させていただこうと思います。
オモトの基本情報
オモトの基本情報をまとめてみました。
科名/属名 | キジカクシ科 / オモト属 | ||
名称 | オモト、万年青(中国名) | ||
形態 | 多年草 | 原産地 | 日本・中国 |
耐寒性 | 普通 | 耐暑性 | 普通 |
開花時期 | 5月~6月 | ||
植え替え時期 | 3月下旬~4月、9月下旬~11月 | ||
備考 | 日本原産の多年草で400年ほど前から品種改良がされてきました。漢名の「万年青」は一年中青々とした姿から来ています。長寿・繁栄といった縁起の良い植物として古来より親しまれてきました。 今では1,000種類以上の交配種が作出されています。 |
オモトの育て方
オモトの育て方をごく簡単に記述します。オモトは品種によって育て方や育てるうえでの注意点も異なってきますので、ここでの内容は「一般的な育て方」になります。
オモトは歴史も古い古典園芸品種ですので、様々な改良品種が作出されました。その中には1億円(現在の価格に換算)という値が付くオモトもあったようです。
日当たり・置き場
夏の直射日光には弱いので、明るい日陰に置きます。適した場所が無い場合は、鉢植えでは70%遮光の遮光ネット等を利用します。
冬も野外で大丈夫ですが、用土が凍結や霜にあてないように軒下で管理します。
地植えの場合は木の陰などの直射日光が当たらない場所に植えます。
用土
基本的には水はけのよい培養土を用います。ただし水持ちも兼ね揃えた用土が理想的ですので、市販の「オモト用」「東洋ラン用」などの培養土が便利です。
自分で配合する場合は「日向土に川砂を混ぜたもの」や「矢作砂に軽石中粒を混ぜたもの」など、栽培地域や品種などで多様な配合が用いられています。
基本的には栽培される環境で「水はけがよく、なおかつ水持ち(肥料持ち)の良い培養土」を目指して配合を考えた方がよいようです。
水遣り
春から秋の時期は土の表面が乾燥したら水を与えます。この時は鉢底から水が流れるくらいたっぷりと与えます。
冬は成長か緩慢になるため、あまり水を必要としません。土の表面が乾いてから2~3日後に水を与えます。
また、オモトは葉に埃がたまりやすいことと、ハダニの駆除も兼ねて時々葉に水をかけてあげます。その際にペーパーなどで葉をふき取ることで埃とハダニ対策をすることができます。
増やし方
オモトは株分けで増やせます。植え替え時に親株の周りに子株ができていたら、それを親株から外して植えつけます。ただし子株にしっかりと根がついている必要があります。
病気・害虫
ハダニ、カイガラムシ、アブラムシ、ナメクジなどが付くことがあります。浸透移行性の殺虫剤を用いるなどして駆除します。
オモトのその他の特徴
日本には引っ越しのお祝いにオモトを贈る風習があります。これは徳川家康が江戸城に入城する際、常に葉を青々と茂らすオモトを家臣が「徳川家が代々栄えますように」と献上した事に由来するといわれています。
うちのオモト
うちには2種類のオモトがあります。随分と以前からあったものなので品種名等は不明ですが、葉に斑の入っているものとそうでない物の2種類です。斑入りのオモトは鉢植えで、斑無しのオモトは地植えされていました。
鉢植えの斑入りのオモト
地植えの斑無しオモト
鉢植えのオモトは以前から水遣りをしたりしたこともあったので存在は認識していました。今でこそ「斑入りのオモト」などと名前を言うことが出来ますが当時は名前も知らず、また植物にさほど強い興味も無かったので「鉢植えの観葉植物」程度の認識でした。
地植えのオモト発見!
当時の地植えのオモトは全く記憶にありませんでした。実は地植えのオモトを初めて発見したときは結構衝撃を覚えたものです(笑)。
発見した経緯ですが、2018年の6月下旬頃に伸びに伸び切った雑草を処理していたのです。その時は普段は放置してしまうような隅っこの雑草王国エリア(笑)も綺麗にしようと思い、狭い場所なので手作業で除草をしていたのですが、雑草の中から大きな葉の見るからに「俺は雑掌じゃないぜぃ!」との主張が聞こえてきそうな葉が出てきたのです。
この植物を処分してしまってもいいのか悪いのか????
名前を調べてみると、オモトという結構有名な観葉植物だという事が分かったのです。そうとなれば捨てるわけにもいきませんよね。また、発見した場所があまりにも手入れをし難い場所だったので、もっと手入れをしやすい場所に植え替えをすることにしました。
なお、この除草作業中に別の場所でもオモトを発見したので、2か所のオモト共に植え替えをすることにしました。時期が6月下旬だったため、植え替え適期(3~4月)からはずれていますが、植物の生命力を信じてやってみました。
下の写真が初めに発見されたオモトです。金柑の木の根元、少し奥まった場所に植えてあったので気づかなかったのかもしれません。何年も放置で雑草も覆いかぶさっていたので、掘り上げてみると結構傷みも多くありました。
傷んだ葉などを整理したオモトは、元々あった金柑の木の下(少し整備をしました)と、もう少し日当たりの良いキンモクセイの木の下の2か所に植えました。
その数日後に、別の場所の除草作業をしていると、またまたオモトが雑草の中から出てきました。このオモトも掘り上げて金柑の木の下(先のオモトを植えつけた場所)に植え付けてみました。
その後のオモト
植え替えから2年が経過したオモトが下の写真です。植え付け直後に比べ着実に成長しています!
ただ、手前の方は時々草刈り中に刈払い機で刈ってしまう事があって(‘◇’)ゞ、ちょっとかわいそうな姿になっています。
上の写真を撮影したとき(6月)、ちょうどオモトの花が咲いていました。少し見にくいかもしれませんが、小さな花が集まった感じで花びらもさほど大きくない花です。写真の状態で既に個々の花は開花しているのです。
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